登録販売者の前身「薬種商」を知っていますか?
本日(2026年7月25日)時点では、登録販売者は一般用医薬品(第2類・第3類医薬品)の販売を担う資格として広く知られています。しかし、2009年(平成21年)の制度改正以前には、
「薬種商販売業(やくしゅしょうはんばいぎょう)」という制度がありました。
私が勤務する漢方薬局にも、親の代から薬店を営み、薬種商として地域の人々に医薬品を販売してきた方がいます。昔の話を伺うたびに、現在の登録販売者制度は、その歴史の上に成り立っている資格なのだと感じます。
今回は、薬種商から登録販売者へ制度が変わった経緯や、その背景についてまとめました。
薬種商販売業とは?

薬種商販売業は、2009年6月の改正薬事法施行まで存在していた制度です。
都道府県知事が実施する試験に合格すると、一定の一般用医薬品を販売することが認められていました。現在の登録販売者制度の前身ともいえる資格です。
一方で、第1類医薬品や医療用医薬品を取り扱えるのは、当時も現在も薬剤師だけです。
この点は制度改正後も変わっていません。
昔は薬局で働きながら資格を目指す人が多かった
現在は通信講座やオンライン教材が充実していますが、薬種商の時代は学習環境が大きく異なりました。
資格取得を目指す人の多くは、
・薬業関係の専門学校や試験対策講座を利用する
・独学で試験に挑戦する
という方法で勉強していました。
昭和から平成初期にかけては、家業の薬店を継ぐために見習いとして働き、
先輩から接客や薬の知識を教わりながら経験を積むことも珍しくありませんでした。
実際に現場で働きながら学ぶことが、資格取得への近道だった時代のようです。
なぜ登録販売者制度へ変わったの?
2009年の改正薬事法では、一般用医薬品がリスクに応じて分類され、第2類・第3類医薬品を
登録販売者が販売できるようになりました。
背景には、高齢化の進展やセルフメディケーションの推進、医薬品を購入できる環境を整える目的がありました。
制度の開始によって、ドラッグストアなどでも登録販売者が活躍できるようになり、医薬品を購入しやすい環境が広がりました。
制度改正には反対意見もあった
新しい制度には期待だけでなく、不安の声もありました。

薬剤師会などからは、
・十分な知識を持った人材を育成できるのか
・購入者へ適切な情報提供ができるのか
といった慎重な意見が示されました。

また、長年薬種商として地域で営業してきた方の中には、
・登録販売者試験を受け直す必要があるのか
と不安を感じる方もいました。
そのため、一定の条件を満たした薬種商には経過措置が設けられ、登録販売者試験に合格したものとみなされる仕組みが用意されました。
ドラッグストアは大きく変化した
制度改正後、大きく変わったのがドラッグストア業界です。
以前は薬剤師の確保が店舗運営の課題になることもありましたが、登録販売者制度が始まったことで、第2類・第3類医薬品を販売できる人材が増えました。
その結果、
・店舗数の増加
・セルフメディケーションの推進
につながったと考えられています。
現在では、ドラッグストアの経営者自身が薬剤師である必要はありません。
法律で定められた薬剤師や登録販売者を適切に配置し、店舗管理者を置けば営業することができます。
私が感じた制度の変化
私自身が薬剤師会へ出入りしていた頃には、「薬剤師ではない経営者がドラッグストアを経営すること」に懸念を示す薬剤師の先生方の話を耳にしたことがあります。
一方で、制度開始から17年が経過した本日(2026年7月25日)時点では、継続的研修や実務経験制度も整備され、登録販売者は医薬品販売を支える大切な存在として定着しています。

私も50代で登録販売者資格を取得し、現在は漢方薬局で働いています。
資格を取得して終わりではなく、研修を受けながら知識を更新し続けることの大切さを日々感じています。
薬種商から登録販売者へと制度は変わりましたが、「地域の人々の健康を支える」という役割は、昔も今も変わらないのではないでしょうか。
参考資料
・厚生労働省「一般用医薬品販売制度について」
https://www.mhlw.go.jp/
・厚生労働省「薬機法・登録販売者制度」
https://www.mhlw.go.jp/
・大阪府「登録販売者制度について」
https://www.pref.osaka.lg.jp/
・公益財団法人 日本薬剤師研修センター
https://www.jpec.or.jp/


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